ではなぜ、感情の単語が入っていなかったり入っていても過去形になっていると、人は同じ話を繰り返してしまうのでしょうか。
それは、感情の単語が入っていないと、解決の道が開けないからです。
実は、繰り返される話のほとんどは、自分の問題なのです。
何十年にも渡って同じ愚痴を繰り返しているのは、何十年もその問題の解決が行われていないからなのです。
ここで言う解決とは、また同じ目に遭わないように予防する対策のことです。
人間の体には、同じダメージを繰り返させないシステムが備わっています。
例えば日焼けは、たくさんの紫外線を浴びた後に、メラニン色素で肌を黒くして、次に紫外線を浴びた時に同じダメージを受けないように防御するシステムです。
免疫は、ウィルスに侵入されたときのダメージを繰り返させないように、体が研究をして、そのウイルスを攻撃する精鋭部隊を発明したものです。
体が対策をとるのは、細胞のダメージだけではありません。
コミュニケーションによるダメージも、繰り返されることを嫌います。
そのため、ダメージを受けた時の記憶を鮮明に残し、次に同じような事が起こった時に回避する方法を研究させるのです。
これが、根に持った状態です。
愚痴は、ダメージを受けた時の記憶をしゃべることで、より鮮明にコミュニケーションデータを維持できるはずなのですが・・・
その愚痴を何度もリピートし、しかも何年も繰り返しているということは、そのコミュニケーションデータが対策に結びついていないということになります。
せっかく脳が記憶を残しておいてくれているのに、なぜ対策ができないのか。
それは、自分が対策を考える責任者だという自覚が発生していないのです。
さらに、対策を考える責任者が、愚痴の利き手に移行しているのです。
その現象を引き起こしているのが、感情の単語の省略なのです。
そこでわたしは、子育て中のお母さん30名に実験の協力を依頼しました。
小さい子供同士で遊んでいると、時折、おもちゃを取られたり、遊具を独占されたりすることがあります。
するとその子は、泣きながらお母さんに言いつけに来て、お母さんに取り返してもらうように頼みに来ることがあります。
「自分で取り返しておいで」と、突き放そうとしても、手を離そうとしないで、
「ママが言って!ママが言って!」と言うばかり。
その時に、子供に感情の質問をして、感情の言葉を言わせた後の行動と、それをせずに子供が感情の言葉を言わなかった 場合の後の行動を比べてもらいました。
すると子供達は非常に興味深い行動を取りました。
子供が感情の言葉を言っていない時は、「ママが言ってママが言って」と言うばかりで何の進展もありませんでした。
ところが子供に、「〇〇くんは、おもちゃを取られて悔しいの悲しいの?」 と、感情の質問をし、
「 悔しい」 と言うと、 自らママの手を離し、何やら作戦を考え始め、一人でお友達の方に向かい始めました。
この実験から見えてきたことは、
感情の単語を言うと、その問題を考える責任者が自分になるということです。
逆に感情の単語を言わずに状況だけを言うと、その問題を考える責任者は、状況を聞いた聞き手に移動してしまうようです。
次に、友達などから愚痴をよく聞くという人50名に、実験の協力を依頼しました。
まずは、そのリピート愚痴と、リピートしない愚痴の中の感情の単語の登場回数をチェックしてもらいました。
するとリピート愚痴の方は、感情の単語がほとんど登場せず、
リピートしない愚痴の方は、感情の単語が豊富に登場していました。
さらに感情の単語が登場した時には、その感情の単語が現在形か過去形かどちらで表現 されているかもチェックしてもらいました。
するとリピート愚痴の方は、感情の単語はほとんど現在形で、
リピートしない愚痴の方は、感情の単語は ほとんど過去形でした。
どんな感じかと言うと、
現在形:「私悲しいんだ。今日ね・・・」
過去形:「こういうこと言われて、ホント悲しかった」
この実験から見えてきたことは、
感情の単語を現在形でを言うと、その問題を考える責任者が自分になるということです。
逆に感情の単語を過去形で言うと、その問題を考える責任者は、自分をそういう気持ちにさせた相手に移動してしまうようです。
コミュニケーションにおいてダメージを受けた後、 自問自答や愚痴を通して対策を考える時、 感情の単語が省略されていたり、感情の単語が過去形で表現されていたりすると、 いつまでたっても対策を考えるステージに立てないのです。
すると体はまた同じダメージを受けることを恐れて 対策に必要な記憶を保存し 、何かにつけて思い出させるのです。
次に、リピート指摘のケースですが、
これもリピート愚痴と理屈は同じです。
指摘によって相手の行動を変えるという目的が失敗に終わっているのに、失敗した方法を何度も繰り返しているということは、
その目的を達成させるための新たな対策が何も考えられていないということです。
相手が耳をふさいでいる記憶の映像を見ながら、自問自答をするときに感情の単語が省略されていたり過去形になっていたりすると、いつまでたっても対策を考えるステージに立てません。
また、聞く耳を持ってくれない人の愚痴を言う時に、自分の感情を言わずに出来事のみを話し、「これどう思う?」と、聞き手に評価を求めていたりしても、いつまでたっても対策を考えるステージに立てないのです。
次回は、外反母趾につながるリピートと外反母趾にならないリピートのお話です。
つづく
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